2014年3月5日 投稿者: Kandori

教室では物語の世界から何を学ぶのか

学年末を迎えようとしています。
国語の教科書の最後は、物語の教材です。
 
新美南吉 文「手ぶくろを買いに」
 
命がテーマになっています。
 
子ぎつねは、人間は恐ろしいと教えられていました。
 
命からがら逃げた経験のある母ぎつねは、
子ぎつねといっしょに手ぶくろを買いにいくことができないくらい、
人間を恐ろしいと思っています。
 
一人で手ぶくろを買いに行った子ぎつねは、
まばゆい光に面くらって、
間違えて、きつねの手を出してしまいます。
 
一瞬の光が、きつねだという真実を明らかにしてしまいます。
窮地に立たされ、
人間に捕まえられるかもしれない。
子ぎつねは、命をさしだす体験をします。
 
きつねだとわかっても、
無事に手ぶくろを買うことができます。
 
一瞬の光があったからこそ、
命を奪う恐ろしい人間という母の教えとは違い、
人間ってやさしくて、恐ろしくないことに気づかされます。
 
 
子どもたちとともに、
子ぎつねや母ぎつねの気持ちの移り変わりを読んでいきます。
 
長い時間をかけて全文視写(書き写し)をします。
物語の中の言葉を手がかりにして、
イメージを膨らませるためです。
 
一人ひとりの発言を大事にして、
互いに耳を傾け、想っていることや感じたことを出し合います。
 
発言内容はよく似ていても、
その子らしい伝え方やその子の持っている言葉を
キャッチボールのように、大事にして読み深めていきます。